昨日、満を持して、ついに私の普段使いのRPI 4B、busterを、新OS、bookwormにアップグレード致しました。
bullseye書き間違いではありません。強調しておきましょう
Busterです!
以前のポストで解説したのは一つ前のOS、bullseyeからbookwormへのアップグレードでした。
しかし今回は、更にインパクトのある、2つ前のOSであるbusterからのアップグレードとなります。
なお、今回のお話はラズパイの技術的な話というよりはただの無駄話といった内容です。これからラズパイのアップグレードをする人には少し参考になる話かもしれませんが、それ以外の設定については、こちらのほうがよくまとまっています。
なぜbullseyeからではなく、busterからなのか?
これは、前回のbullseyeについて、RPI 4Bのアップグレードを見送ったからです。では、なぜ見送ったのかと言いますと、要するに
bullseyeが好きではなかった
のです。bullseyeが出てしばらくしてから、テスト環境にインストールしてみたのですが、
alt-tabを触った瞬間「これはどうなんだ?」と…
alt-tabが変なのは、中途半端にmutterが導入されたためでした。それでもカスタマイズしてopenboxに戻すのは簡単だ、ぐらいまでは調べたのですが、前のポストでも書きましたが、開発側の例の仮想デスクトップに対する発言なんかを見てて、これはなんだかなーと思ってしまって、やる気が失せていたのです(やる気が失せた詳細についてはこちらを参照)
そうこうしてるうちに、ラズパイ側から、busterはサポート切れにしないで、legacy扱いでしばらくサポートする、と発表があリました。
だったら、もう、busterのままでいいだろーと(笑) 実際はchromiumのバージョンが古くなることが問題だったのですが、vivaldiの最新版がとても律儀にbusterに対応してくれていたので、いざとなったらvivaldiでなんとかなる、と思うことにしたのです。
bookwormが出現して、busterがlegacyから外れてしまう
ところがbookwormがリリースされまして、するとbullseyeがlegacyになり、busterはlegacyから外れてしまいました。busterはすぐにサポートされなくなるのか、あるいは本家debianと同じ2024年6月までのサポートになるのか、ちょっとアナウンスが微妙で判断に困るところだと私は感じているのですが、とにかく流石にbusterのままじゃだめだろうということで、RPI 4Bのbookwormへの移行をようやく決意しました。
最近のラズパイの記事の連投投稿について
嫌なことは、新しい環境に移行した結果、今まで出来ていたことが出来なくなることでありまして、それを回避するために事前にテスト環境にbookwormを入れて様子を調べ始めました。そして、どうせいろいろ調べるなら、それを全部記事にしてしまおうということで、それが10月中に続けて書いたラズパイの記事です。
リモートデスクトップや仮想デスクトップの回で「xrdp + 仮想デスクトップが私のマストだ」とか書いてましたが、あれはほんとに私にとってマストなんですね。
自分で使う予定のものを調べていますので、本気度が違います。やたら細かいラズパイの記事が続いたのはそういう事情です。
busterからbookwormへのアップグレードに際して準備した、万全のバックアップ体制
そういうわけで、詳細な下調べと、それをまとめたブログ記事までもがあり、情報収集は完璧です。
更にアップグレード対象のRPI 4BはPINN(noobs後継のマルチブートマネージャ)で管理していまして、busterの入ったパーティションのバックアップも簡単に確保できました。こうして、
何回失敗しても元に戻せる、
夢の無限回アップグレード環境が実現
しました。ちなみに
資金が無限にあり、無限回勝負できるのなら、
倍プッシュで勝てないギャンブルはない
(by マーチンゲール法)
なので、もうこのアップグレードは勝ったも同然です(⇐意味不明)。大船に乗ったつもりでドーンと倍プッシュ・アップグレードループ(いや、ループはだめだろ?)に突き進みます。
busterからbookwormへ一発full-upgradeをやろうとギリギリまで考えたのだが、やはり断念
busterからbookwormへの一発アップグレードについては、(RPI OSではなく)本家debianで華々しく散った偉大な先人がいらしゃいました。
この方が一発アップグレードを敢行したところ、
その結果、依存関係が見つからないというエラーが出て、それを修正しようとしたのですが、何もうまくいかず、イライラして再起動しました…今はロックアウトされ、システムは動きません。ユーザー名でログインプロンプトが表示され、ユーザー名を入れてもパスワードは表示されず、「ログインが正しくありません」とだけ表示されます。
by 今日もするどいdeeplさん
バックアップ無しで一発アップグレードに挑んだこの伝説の火の玉野郎に対して、人々は「順番通りに。buster => bullseye => bookworm じゃないとだめだよ」とか「たくさんアップグレードしてきた俺も同じことを思うよ」とか、心優しい教師陣が可愛そうな生徒を優しく諭すかのような書き込みをしてくれています。
これではっきりしました。一発アップグレードはやはり茨の道です。ここは地道にbullseyeを経由してbookwormに向かうべきであると心を入れ替えました。
※ ちなみにアップグレードに失敗してしまったこのユーザーさんですが、OSのバックアップはなくても、メインのデータは別に取ってある様子で、本当に致命的というわけでもなさそうでした。「アップグレードには失敗したけど、おかげでこのコミュニティーに入れたことはよかったよ。haha」と最後は笑顔で去っていかれた姿が印象的です。
busterからbullseyeへアップグレード
これについてはラズパイのエンジニアの方が懇切丁寧に説明してくださっています。
libgcc-8-dev とか gcc-8-base の話は言われないと分からないよなーと思いつつ、ありがたく説明どおりに作業して、1時間ほどでbullseyeにたどり着きました。
リブートして、bullseyeのデスクトップが現れた瞬間、ホッと一息。
bullseyeからbookwormへアップグレード
せっかく到着したbullseyeですが、滞在5分にして、次の目的地bookwormへ旅立ちます(笑)
ここから先は、手製のアップグレード方法となります。
これについては私自身で何度かテストしていましたので、普通の条件で失敗することはないという確信はありましたが、1時間ほどでbookwormに到着したときは、やっぱりホッとしました。
bookwormに無事到着
bookwormに到着してからは、/boot/firmware/config.txtが流石に何代も経て設定が変わっていたようなので、クリーンインストール版からコピーして入れ替えました。今更ながらですがconfig.txtに arm_boost=1 が入ることで、クロックが1.5 GHzから1.8 GHzになったのは嬉しかったです(笑)
その後は当初の予定通り、waylandはオフにした環境で、xrdp+仮想デスクトップを有効にしました。まだ多少の問題は残っていますが、とりあえずは、こうしてリモートデスクトップでブログがかける環境がbookworm上で実現しておりまして、当初の目的は達成できたかと思っています。
linuxを数年使っておりますと、そこかしこに謎のスクリプトやcronジョブが走り始めるのは仕方がなくて、そんな謎スクリプトでも、クリーンインストールで一挙になくなってしまうと地味にダメージだったりします。そういう細かいスクリプトを、新たな状況を考えながら復活させるのは相当な時間がかかります。だから、そういう無駄な時間を使うことなく直接bookwormに移行できて、今は本当に清々しい気持ちです。事前に情報収集した甲斐がありました。
だが、busterなRPI 3Bがまだ残っている
ところがですね、まだbusterなラズパイRPI 3Bが、我が家にはいらっしゃるんですね。X11なしのヘッドレスな運用なので、アップグレード作業自体は楽じゃないかと思うのですが、dhcpのアドレスを配っていたり、wifiが届きにくい場所のAPになっていたりと、なかなかクリティカルな作業を、我が家で黙々とこなしてきた裏方でありまして、これが死んでしまうと困るのですね。どうしましょう。
busterが来年の6月までサポートされるのか、あるいはlegacyでなくなってしまった今後はすぐにサポートが打ち切られるのか、そのどちらかによって今すぐアップグレードするかどうかの判断が変わってきますね。どこかにはっきりした情報があればいいのですが。
追記(11/13) カーネルを32bitから64bitにアップグレード
32bit busterから32bit bookwormにアップグレードした私のRPI 4Bですが、その後カーネルだけ64bitにアップグレードしました(OSは32bitのままです)。「32bit OSなのに64bitカーネル?」と思ったあなたはこちらをどうぞ。
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