スマホスキャンは照明(ライティング)が大事
Googleドライブをはじめ、様々な企業からスマホで書類をスキャンして保存するソリューションが提供されています。本サイトで展開するSoqAlbumでは、スマホのカメラから書類をPCに直接取り込むことが可能です。SoqAlbumを開発する以前から、私はスマホで書類をスキャンすることがよくあったのですが、その際困ってしまうのが書類のライティングです。テーブルの上に書類を置いてスキャンしようとすると、スマホや自分の手の影が書類に映り込んでしまい、書類がまだらになったり明るさが不足したりします。照明と書類の位置関係をいちいち考えるのは面倒で、たいていはうまくいきません。
天井照明以外にしっかりとしたデスクライトでも用意すれば問題は解決するのですが、しっかりしすぎるデスクライトは位置取りが大変な上に、コンセントからの配線も面倒です。スマホと同じようにあちこち持ち運べる、手軽なデスクライトがあればいいのになぁと思っていたのですが、百円ショップのダイソーさんでよさそうな製品を見つけました。
ダイソー ラウンドスタンドライト USB/乾電池 両用、300円
とてもコンパクトで持ち運びが簡単。電源は単三電池以外にUSBが使えて配線問題も解決。なんといっても300円という価格が魅力です。正直、本を読むのに快適と言えるほどの明かりの広がりはありませんが、書類のスキャンが目的ならばこの範囲の照明でなんとかいけるんじゃないでしょうか? 光源が円形(ラウンド)であるのもスキャンに向いている気がします(ダイソーのページ)
照明は明るければよいというわけではない? 照り返し問題
実は書類を明るく照らすだけなら、スマホのフラッシュ機能を使うだけで十分です。ただ、フラッシュで困るのは、激しい光の照り返しが写真に映り込んでしまうことです。プリンターの印刷用紙や新聞紙のようなものでは目立たないこともありますが、表面がつるつるのチラシや包装箱の表面など「てかり」がある紙質の場合、照り返しがあるとそこの部分の文字が読めなくなります。
スマホのフラッシュライトの位置は変えられないので、普通に写真を撮れば照り返しは必ず写ります。あえて書類を斜めに撮影してアプリで修正するという手もあるようですが、ちょっと面倒です。やはり堂々と正面から撮影したいものです。
明るさだけを考えて適当にダイソーのライトを書類の上に配置した場合も、同様に映り込みが起こります。
照り返しが入らないライトの位置とは?
そういうわけでダイソーライトを握りしめ、あれだこれだと位置どりに試行錯誤すること1時間余。ついに最適(というのは言い過ぎだと思うが)なライトの位置取りに到達しました! 結論からいいます。最適なライトの場所(ほんとか?)はここです。
スマホを縦に持った場合、撮影できる画面の範囲は縦長になります。この場合、画面の左か右の画面から外れた場所にライトを置くのが良いです。上か下では映り込みが起こりやすく、ライトを遠くに置く必要があり不利です。
左か右が有利なわけ
カメラには写真として撮影できる範囲(角度)があります(画角と言うそうです)。スマホカメラのセンサーはスマホに合わせて縦長になっているので、横向き(水平)の画角は縦向き(垂直)の画角より小さくなります。画角が小さいということは映り込みが起こる範囲が小さいということです。したがって、画面の右か左にライトを置けば、映り込みを避けながら、ライトをより被写体に近づけることができます。一方、上か下に置く場合は、画角が広いためライトをかなり遠ざける必要があります。用紙を明るく照らすためには、ライトを近くに置ける左か右が有利でしょう。
明るさが最大になるライトの高さとは
ライトの場所は左か右に置くとして、ではライトの高さはどうすればよいでしょうか。低いほうが用紙に届く光の強度は強くなりますが、光が紙に斜めに入るため紙にあたる光の総量は少なくなります。一方極端に高くすれば紙と光の角度は垂直に近づきますが、光源からの距離が遠くなる分、入る光の強度が落ちます。
これら2つの条件を加味した独自の計算式による考察(?)を行った結果、上の図で最もたくさんの光が紙の所定の位置に当たる条件は、次の図のようにまとめられることが分かりました!
光源までの水平距離:高さ=1:1/ √2 (白銀比というそうだ)の時、光の量が最大になります。角度にして35度位です。意外に低いがだいじょうぶか(というかほんとに計算あってんのか?)という印象です。自信がないし検証も不足しているので計算は公開しません(笑) 無保証です。ちゃんとした大人が別のことを言っていたらそちらを信用してください。
結論:A4用紙をスキャンするときのライトの配置
そういうわけで、だいたい次のような位置と高さにライトを配置してみました。
被写体がA4用紙の場合、光源の位置が
- 中心から右側に約20cm
- 高さ約14cm
となるようにしました。20cmと14cmいうのは、まあ算数的な覚えやすさを優先したチョイスです(笑) もっと近くにライトを置くことができるかもしれませんが、ライトがあまりに近いと明るい場所と暗い場所とでまだらになります。35度というのは明るさを確保して可読性をあげる位置になっているはずですが、明るさよりも用紙全体に対するまだらを防ぎたい時は、35度以上に角度をあげる(ただし写り込みが発生しない範囲で)などするのが良いと思います。
(左)ダイソーライトなし。撮影者の影が写り込んでいる。天井の照明の映り込みも入って最悪の仕上がりに。(右)部屋の明かりをオフにして、ダイソーライトをオン。撮影者の影は全く見えない。右側の軽い写り込みはテーブル表面の細かな凹凸によるもので、平らな原稿には影響していない。
スマホを横向きにして撮影する場合
横向きの場合はライトを左右ではなく上下のどちらかに置くのがよい、ということになります。左右や上下という覚え方ではなく、撮影範囲が狭くて、画角が小さくなる方向にライトを配置したほうが映り込みを避けやすい、というルールで覚えると良いでしょう。
あくまで設定の一例です
今回の設定は、試行錯誤の末、私がたどり着いた設定の一例です。最適解というわけではありませんが、照り返しが気になったとき、問題を解決するヒントになるかもしれません。画面から影が消えてくれればいいやという軽い気持ちで始めたのですが、照明ひとつもまじめに考えると奥深いものです。
追記
この記事の内容はもともと11/3に別の記事としてポストされたものですが、時間が経過してもサーチエンジンに登録されませんでした(原因不明)。そのため一部修正し、新たな記事としてここに再ポストします。
最近サーチエンジンに登録されないパターンが続いております。Googleに嫌われている…わけでもなさそうなのですが(似た写真が列挙されているので、スパムページ扱いにされた?)
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